私の本音は、あなたの為に。
次の日の放課後。


私は、係のために図書室へ向かっていた。


ドアを開けると、もう五十嵐はカウンター席に座っていて。


「…五十嵐、早いね」


そう声を掛けるけれど、彼は


「うん、まあねー」


と棒読みの返事をするだけ。


内心ため息をついた私は、玉村先生の


『図書室に居れば好きな事をしても良い』


という言葉を思い出した。


(じゃあ、サッカーの本でも読もうかな)


カウンター席には五十嵐が居るのだから、生徒が図書室に来た時にはいつでも対応が出来る。


そうと分かれば、話は早い。


1つでも多くのサッカーについての知識を深める為、私は背負っていたリュックを机の上に置き、早速サッカーの本を探す事にした。



とはいっても、まだ入学してから日が浅い為、図書室のどの本棚にどういう本が置かれているのかなんて分かるはずもなく。


ジャンル別に分かれている事が、私にとっての何よりの救い。


私はかなりの時間をかけた後、多い本棚と大量の本の中から、読みたかったサッカーの本を見つけ出した。


「あったー!」


嬉しくて思わず小躍りした後、私はその本を持って椅子に座り、早速サッカーの本を読み始めた。
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