私の本音は、あなたの為に。
ピロンッ……



私のスマートフォンの、メールの着信音が鳴り響いた。


「んっ…」


既に重い体を持ち上げ、私は近くに置いてあったスマートフォンを手に取った。


メールは、五十嵐からだった。



『今日は本当にごめんね。でも、ありかとう。本当に嬉しったよ。また月曜日から、宜しくね!』


(ん…?)


メールを読み終わった私は、若干眉をひそめた。


誤字と脱字が、あったからだ。


“ありかとう”は、“ありがとう”に。


“嬉しったよ”は、“嬉しかったよ”に。


それ程目立たないミスだから、気にしないといえば気にしないのだけれど。


相手は、あの五十嵐だ。


文字を読む事もままならず、字を書けば鏡文字になり。


それに、確か五十嵐のスマートフォンのキーボードは、普通の人よりも大きめに設定されていた様な気がする。


(全く…次は、フリック入力も徹底して教えるべきかな?)


私は呆れながらも、


『いえいえ。五十嵐の力になれて良かったよ!また月曜日にね。おやすみ』


と、1文1文に気持ちを込めて入力し、送信した。
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