遅すぎた初恋
その後の話しは速やかに進み。見合いから半年でゆかり様は隆俊様の元に嫁いで来た。しかも、お腹に赤ちゃんまで抱えて。
「あの男は、とんでもない鬼畜だわ。あの、純朴な感じなんてすぐに消え失せたのよ。騙されたわ!」
と息巻いている。それはそうだ。完全に隆俊様は確信犯なのだから。
ゆかり様に出会う前まで、人にも物にも執着なんて持ち合わせてこなかったんだから、ゆかり様へは、それを一気にぶつけているのだ。
「ゆかり様、諦めましょう。基本的には隆俊様はゆかり様のご機嫌は損ねたくはないのですから。本当に無茶な事はなさいませんよ。それはゆかり様もご存知でしょ?あまりかりかりしていては、お腹の子に悪いですよ。」
と私は宥めてさし上げる。「まあ、そうね。」とゆかり様が納得する。この頃はこのやり取りも当たり前になっている。
「不思議ね。榊。榊に言われると、心が落ち着くわ。隆俊さんの心の代弁者って所かしら。あの人、態度は積極的なのに、言葉足らずなのよ。もう!」
「まあでも、愛してくれてるのよね。いいお父さんになるって張り切ってるしね。見ていて、貴方が子供かって思う事も多々あるものね。」
と幸せそうに微笑んでいる。
「あの男は、とんでもない鬼畜だわ。あの、純朴な感じなんてすぐに消え失せたのよ。騙されたわ!」
と息巻いている。それはそうだ。完全に隆俊様は確信犯なのだから。
ゆかり様に出会う前まで、人にも物にも執着なんて持ち合わせてこなかったんだから、ゆかり様へは、それを一気にぶつけているのだ。
「ゆかり様、諦めましょう。基本的には隆俊様はゆかり様のご機嫌は損ねたくはないのですから。本当に無茶な事はなさいませんよ。それはゆかり様もご存知でしょ?あまりかりかりしていては、お腹の子に悪いですよ。」
と私は宥めてさし上げる。「まあ、そうね。」とゆかり様が納得する。この頃はこのやり取りも当たり前になっている。
「不思議ね。榊。榊に言われると、心が落ち着くわ。隆俊さんの心の代弁者って所かしら。あの人、態度は積極的なのに、言葉足らずなのよ。もう!」
「まあでも、愛してくれてるのよね。いいお父さんになるって張り切ってるしね。見ていて、貴方が子供かって思う事も多々あるものね。」
と幸せそうに微笑んでいる。