遅すぎた初恋
隆俊様が亡くなる時、広高さんには、会社の事を高柳家を頼むと申され、隆次さんには、己の道を信じて進めとおっしゃられた。ゆかり様には、
「ゆかり、私は幸せだ。君と会えて、そして二人の良い息子を持てて、本当にありがとう。愛しているよ。一目見た時から。愛している。」
と、そして私に、
「榊、ゆかりを頼む。息子達を」
と、言い残されこの世を去られて行かれた。
それから数年が経ち、新たな悲しみを乗り越え、今の賑やかな日々を送ることができるようになり、私としては、これで役目が終わったなと安堵している。
こうして、考えるとあっという間の事だったと考え思いふける。
ゆかり様に抱いた感情はほんの僅かな期間は私を苦しめていたが、それよりも深く私は隆俊様に尊敬の念を抱いており、なにより隆俊様、ゆかり様ご夫婦のやり取りを見るのが楽しみでしかたがなかったので、いつからか自分の思考からは消えていたように思う。
広高さんが、隆海さんと生まれたばかりの怜羅さんを取り合っている様を楽しく拝見しながら、走馬灯の様にこの家族との繋がりを思い返している私の所に、ゆかり様が寄って来て。
「榊、あの馬鹿息子どうにかして。今度は隆海相手に取り合いを始めたわ。馬鹿だ。馬鹿だ。と思ってたけど。本当に馬鹿よね。」
「ゆかり、私は幸せだ。君と会えて、そして二人の良い息子を持てて、本当にありがとう。愛しているよ。一目見た時から。愛している。」
と、そして私に、
「榊、ゆかりを頼む。息子達を」
と、言い残されこの世を去られて行かれた。
それから数年が経ち、新たな悲しみを乗り越え、今の賑やかな日々を送ることができるようになり、私としては、これで役目が終わったなと安堵している。
こうして、考えるとあっという間の事だったと考え思いふける。
ゆかり様に抱いた感情はほんの僅かな期間は私を苦しめていたが、それよりも深く私は隆俊様に尊敬の念を抱いており、なにより隆俊様、ゆかり様ご夫婦のやり取りを見るのが楽しみでしかたがなかったので、いつからか自分の思考からは消えていたように思う。
広高さんが、隆海さんと生まれたばかりの怜羅さんを取り合っている様を楽しく拝見しながら、走馬灯の様にこの家族との繋がりを思い返している私の所に、ゆかり様が寄って来て。
「榊、あの馬鹿息子どうにかして。今度は隆海相手に取り合いを始めたわ。馬鹿だ。馬鹿だ。と思ってたけど。本当に馬鹿よね。」