遅すぎた初恋
「いやいや、綺麗じゃん。身長があるわけでもないんだけど。なんていうかなぁ〜。
内から滲み出てくる綺麗さっていうか、人の良さっていうか、見た目も十分綺麗だけど、だから一層洗練されて見た目が眩く輝いてるっていうか。月明かりに照らされて、岩肌にひっそりと咲く白い百合の花って感じ!儚げなのにどっしりしてる!でもって、なかなか手が届かない感じ。うちのお兄ちゃんなんかずうっと見てるし。」

「はっはっ。凄い例えだなぁ。」

「ゆかり叔母様って出所もしかっりしている典型的なお嬢様奥さんだけど、人となりも至極真っ当な人でしょ。だから本物は本物、メッキはメッキって見極めちゃうのよね。ウチの親とは大違いで、本当尊敬できるし大好きなんだよねえ。
だから、その人に認められるって凄いな〜って素直に思うよ。」
「でも、惜しいんだよなぁ。」

「何が?」

「もちろん星羅さんと隆次君って美男美女でお似合いって感じだけど。私的にはさぁ、星羅さんは広兄の方が合うと思うんだよなぁ〜。なんとなくだけどね〜。っていうかもう遅いしっ。」

「…馬鹿げた話だな。」

「いやあ、でもさ。広兄これからが大変だね!」

「ん?」

「広兄のお嫁さん探し!これで間違いなく人としてのハードルは上がったね!星羅さん以上の人はなかなかいないよ。」

「へっへっ頑張ってね!」

と言いたい放題言って叶が立ち去っていった。
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