遅すぎた初恋
「それに私は隆次さんの妻です。彼が亡くなっても、変わらず愛しています。いえ、それ以上に。それは永遠にです。冗談でも、そんな事言わないでください。お義兄さんには助けてもらって感謝してます。でも、さすがに怒ります。」
「……そうだな…冗談だ。だったら、私の事を寂しいとか言わないでくれ。そんな憐れむ顔で私を見るな。君は側に居てくれる気はないのだろう?隆次だけを思っていればいい。
私自身、自分をそう思った事はないのだから、余計なお世話だ。
自分の感情を深く追求した事もしようとも思わない。
ましてや、そんな暇もない。だからそういった感情は私には無意味だ。
さっきも言っただろう?自分で自分を理解してないんだ。人に理解されようとも思わないさ。この際、冷徹でも暴君でも構わない。
なんでもいい。何も望まない。期待もしない。自分の道はもう生まれた時から決められているんだ。それで満足しているし、全うするだけだよ。
さあ、話しは終わった。出て行きたまえ。」
最後は畳み掛けるように言った私を、星羅は名残惜しそうに見ていたが、何も言わず、深々と頭を下げて出て行った。
そんな顔をするな。どうせ、私にはその心をくれないんだろ。
隆次を思う気持ちは当たり前だ。だがその何億分の一でもいいから、私を思って欲しいと望むんだ。
君に言ったのは強がりだ。そう言わないと自分が保てない。本当は抱きしめて「行くな」と叫びたいのだから。
「……そうだな…冗談だ。だったら、私の事を寂しいとか言わないでくれ。そんな憐れむ顔で私を見るな。君は側に居てくれる気はないのだろう?隆次だけを思っていればいい。
私自身、自分をそう思った事はないのだから、余計なお世話だ。
自分の感情を深く追求した事もしようとも思わない。
ましてや、そんな暇もない。だからそういった感情は私には無意味だ。
さっきも言っただろう?自分で自分を理解してないんだ。人に理解されようとも思わないさ。この際、冷徹でも暴君でも構わない。
なんでもいい。何も望まない。期待もしない。自分の道はもう生まれた時から決められているんだ。それで満足しているし、全うするだけだよ。
さあ、話しは終わった。出て行きたまえ。」
最後は畳み掛けるように言った私を、星羅は名残惜しそうに見ていたが、何も言わず、深々と頭を下げて出て行った。
そんな顔をするな。どうせ、私にはその心をくれないんだろ。
隆次を思う気持ちは当たり前だ。だがその何億分の一でもいいから、私を思って欲しいと望むんだ。
君に言ったのは強がりだ。そう言わないと自分が保てない。本当は抱きしめて「行くな」と叫びたいのだから。