遅すぎた初恋
ビシっと私はこめかみに青筋を立て「なんだと?」と軽く睨んだ、すかさず星羅は、

「だってお義母様が、「広高のやった事は犯罪だから、訴えるなら手を貸すわよって」さっき言ってましたよ。「小さい時は犬に追いかけられたぐらいでワンワン泣いて可愛いかったのに、今なんかブルドッグ見たいに自分が怖くなっちゃて誰も寄り付かないんだから。困るわ」って。」

私は「余計なことを」と面倒くさそうに呟いた。
星羅も、
「お義兄さんもさっきの笑顔を振りまいていたら、凄くモテると思いますよ。早く結婚相手みつけましょ。そしたら私、解放される。」
ととんでもない事を言ってくるから、

「言いたいことは分かった。元気になったなら良かったな。仕事の邪魔だから出て行け!」

と彼女に言ってしっしっと追い払う真似をした。「えー、もうちょっとここに居たかったのに」と言いながら渋々出て行こうとする彼女に、

「どうしようか迷っては居たが、悪いが今日からここに住んでもらえないか?その方が君の体の為にも母の為にも良いと思う。
荷物は榊に言って運ばせるから。母も今は君に会ってキャッキャしているが、君がここを去った時は廃人同然だったんだ。だから、傍にいてもらいたい。」

「診察の時や海堂さん達に会いに行きたい時は、迎えに来るから。」

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