遅すぎた初恋
望が芝生の上に倒れ込んだ。
そこにもう一発と、望の上に馬乗りになって、殴ろうとした時、星羅が止めに入った。
「やめて!お義兄さん。ごめんなさい。望さん。
私、貴方がどういう風に私を見ていたのかずっと気付かなくて…ごめんなさい。
私は貴方の好意をただの親切だと捉えてました。
だから、ちゃんと私の気持ちを言います。
貴方は私の愛する隆次さんではありません。
例え顔が似ていたとしても、隆次さんの代わりにはなれません。当たり前だけど、隆次さんは隆次さんだし、望さんは望さんだから、誰も代わりにはなれないんです。
私の愛する人は高柳隆次という人です。
だから、これだけははっきり言います。貴方を男の人として好きになる事はありません…。それはこれからも…ありません。これが私の気持ちです。」
「………。」
「あと、お義兄さんをご自分と比べて羨ましがらないで下さい。お義兄さんにはお義兄さんの逃れられない道があるんです。
ただそれを必死に守って生きてます。
社員や家族が路頭に迷わないように私たちでは想像できない努力をし続けて来ていると思うんです。
隆次さんはお義兄さんを誇りに思うってずっと言ってました。自分を卑下した事など一度もありません。
兄さんに負けないように、自分は自分の土俵でしっかり立つと言って、自分の場所を見つけたんです。
だから、望さんも自分がしっかりやれる場所を探して下さい。」
星羅の、厳しい言葉を黙って聞いていた望は、フラフラと起き上り帰っていった。
門の所には叶が立っていて「何やってんのよ!お兄ちゃん。探したんだからね。ほんっと馬鹿じゃないの。」と望の頭を殴っていた。
これでアイツも凍死せずに済むなと考えながら、後ろ姿を見送ってやった。
そこにもう一発と、望の上に馬乗りになって、殴ろうとした時、星羅が止めに入った。
「やめて!お義兄さん。ごめんなさい。望さん。
私、貴方がどういう風に私を見ていたのかずっと気付かなくて…ごめんなさい。
私は貴方の好意をただの親切だと捉えてました。
だから、ちゃんと私の気持ちを言います。
貴方は私の愛する隆次さんではありません。
例え顔が似ていたとしても、隆次さんの代わりにはなれません。当たり前だけど、隆次さんは隆次さんだし、望さんは望さんだから、誰も代わりにはなれないんです。
私の愛する人は高柳隆次という人です。
だから、これだけははっきり言います。貴方を男の人として好きになる事はありません…。それはこれからも…ありません。これが私の気持ちです。」
「………。」
「あと、お義兄さんをご自分と比べて羨ましがらないで下さい。お義兄さんにはお義兄さんの逃れられない道があるんです。
ただそれを必死に守って生きてます。
社員や家族が路頭に迷わないように私たちでは想像できない努力をし続けて来ていると思うんです。
隆次さんはお義兄さんを誇りに思うってずっと言ってました。自分を卑下した事など一度もありません。
兄さんに負けないように、自分は自分の土俵でしっかり立つと言って、自分の場所を見つけたんです。
だから、望さんも自分がしっかりやれる場所を探して下さい。」
星羅の、厳しい言葉を黙って聞いていた望は、フラフラと起き上り帰っていった。
門の所には叶が立っていて「何やってんのよ!お兄ちゃん。探したんだからね。ほんっと馬鹿じゃないの。」と望の頭を殴っていた。
これでアイツも凍死せずに済むなと考えながら、後ろ姿を見送ってやった。