遅すぎた初恋
「今晩は私達が隆海を預かるから、夜は二人で過ごしなさい。さすがに私でも野暮なことはしないわよ。しっかりやるのよ!」

と母が珍しく優しい言葉を言ってくれたので、式が終わってから、別棟に星羅と一緒にやって来た。
玄関ホールには、隆次が描いた星羅の絵がある。この絵だけは他人には渡せないと、私がずっと保管していたのだ。

寝る準備を終えた星羅を抱えこんで、ベッドに組み敷く。
せっかく着た衣類を全て剥ぎ取ると月の光りに照らされた星羅の白い肌が神々しく輝く。
半年前まで妊娠していたとは、思えないくらいみずみずしく美しい。
ああ早く星羅の中に身を沈めたいという、性急な気持ちを抑えながら、ゆっくりと彼女を甘美な世界に誘っていく。

私の舌と指の動きに翻弄された星羅は何度も喜悦の声を上げる。
これ以上は私の身がもたないと、彼女の奥深くに深く深く己を突き刺した。

そこからは結局、もう無理と言う彼女を許してやらず、自分の欲望が満たされるまで何度も何度もあらゆる体制をとりながら、これでもかと律動し、翻弄させ、最奥に熱を注ぎ続けた。

寝かせてあげられたのは朝方だ。
仕方がない、意識を飛ばしながらも、私の情欲を受けとめようと懸命に耐えて、一緒に高みに登ろうとする健気さが、私を何度も煽るのだから。

疲れ果てて眠る星羅の頭を、愛おしく撫でながら、「愛しているよ。しょうがないだろ。今まで我慢してきたのだから、これぐらい許せ。」と囁きかける。
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