遅すぎた初恋
ゆかり様もそんな中のお一人にしか過ぎなかったが、容姿と血統は最高級の方だった。
だが、普通なら隆俊様を目の前にされる他の女性は、しおらしく、可愛いらしさを前面に押し出しつつ、控えめを装ってなんとか隆俊様の気を引こうと必死のアピールをするものなのに、ゆかり様は開口一番。
「やる気がないなら帰って。私だって暇で来てんじゃないわよ。お父様にどうしてもって言われて、これも経験、出会いの内って思って来てるんだから。今までの方達は知らないけど、よくそんなんで見合いに望んだものね。やらないならやらない。やるならやるでしっかりしなさいよ。わざわざ断わられるのに、出向く女性にも失礼だわ。」
断っておくが、隆俊様だってそんな失礼な態度は奥目にも出していない、むしろ好男子ぶりを遺憾なく発揮している。だから、ぜひとも私を妻にと願う女性は多数だ。
だが、ゆかり様は会って早々に隆俊様を見抜いたのだ。
「あのね、なんでそんな悟りきったような態でいられるの、身体の辛い方や大変な方なんて五万といるわ。その中には心折れる方だっているでしょう、でもその多くの人が一生懸命前を向いて、生きた証しを刻んでる。貴方はどっち、私からしたら、半ば諦めて惰性で生きているようにしか見えないわ。たとえ、限られた時間でも最後に幸せだったって言える人生にしたいじゃない。」
だが、普通なら隆俊様を目の前にされる他の女性は、しおらしく、可愛いらしさを前面に押し出しつつ、控えめを装ってなんとか隆俊様の気を引こうと必死のアピールをするものなのに、ゆかり様は開口一番。
「やる気がないなら帰って。私だって暇で来てんじゃないわよ。お父様にどうしてもって言われて、これも経験、出会いの内って思って来てるんだから。今までの方達は知らないけど、よくそんなんで見合いに望んだものね。やらないならやらない。やるならやるでしっかりしなさいよ。わざわざ断わられるのに、出向く女性にも失礼だわ。」
断っておくが、隆俊様だってそんな失礼な態度は奥目にも出していない、むしろ好男子ぶりを遺憾なく発揮している。だから、ぜひとも私を妻にと願う女性は多数だ。
だが、ゆかり様は会って早々に隆俊様を見抜いたのだ。
「あのね、なんでそんな悟りきったような態でいられるの、身体の辛い方や大変な方なんて五万といるわ。その中には心折れる方だっているでしょう、でもその多くの人が一生懸命前を向いて、生きた証しを刻んでる。貴方はどっち、私からしたら、半ば諦めて惰性で生きているようにしか見えないわ。たとえ、限られた時間でも最後に幸せだったって言える人生にしたいじゃない。」