副社長は今日も庇護欲全開です
「直哉さん……」

彼のストレートな言葉に、私の心は感じたこともないほどに高鳴る。輝く夜景も、直哉さんを前にはかすんで見えてしまった。

「愛してる、陽菜。俺はきみと付き合うようになって、自分がどれほど独占欲の強い男か、初めて知ったよ」

「直哉さん、嬉しいです……。私だって、その……。愛しています、直哉さんのことを……」

恥かしくて、顔が熱くなってくる。でも、彼が想いを伝えてくれたから、私も言葉にしたい、そう思った。

すると、直哉さんは少し意地悪そうな笑みを浮かべ、私を見ている。

「本当?」

「ほ、本当ですよ。もう……、直哉さんってば」

言葉にするのは恥ずかしかったのに……と、軽く彼を睨むと直哉さんは表情を緩めて、私の両方を優しく包み込んだ。

「ごめん、ごめん。からかったんじゃない。とにかく、きみが可愛くて仕方ないんだ」

直哉さんの言葉に、私の心はときめくばかり。でも、直哉さんは私を物足りなく感じていないのかな……。こんなに、恋愛に不器用な私に……。

「私、なんだか、振り回されっぱなしですね……。直哉さん、嫌になったりしないんですか?」

おそるおそる聞いてみると、彼は優しい笑みを見せた。

「嫌になるなら、愛してるだなんて言わないさ。それに、振り回されるなら俺のほうだ」

「えっ? 直哉さんが?」

思わず目を丸くすると、直哉さんは小さく頷いた。

「そうだよ。きみが、住川くんと親しく話すだけで、俺は嫉妬してしまってる。社内でも、それを抑えられないほどに」

そう言われて、会議室でのキスを思い出し、さらに顔が熱くなる。気持ちをストレートに出してくれる直哉さんに、やっぱり私のほうが振り回されていると思う……。

「住川さんは、直哉さんの秘書の方ですから。それに、どこか私に対して壁を感じますし、直哉さんが気にされることはないです……」

想像していたよりは、住川さんは話しをしやすい。楽しい会話をさせてもらうこともあるけれど、基本的には一定の距離感を保たれていると感じていた。

「住川くんは、俺でもまだ掴めない部分があるからな。同級生といっても、学生の頃からミステリアスなところがあって、彼の本心までは……」
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