副社長は今日も庇護欲全開です
「きみに聞かれたと思うが、茉莉恵という俺の学生時代の同級生なんだ」

「いつか、お会いした竹田社長の娘さんなんですよね？」

と聞くと、彼は頷いた。それにしても、茉莉さんさんという人は、同級生だったんだ……。そのことにも、さらに驚いた。

それだけ、二人は親しいということ……？

「茉莉恵さんは、直哉さんとの結婚をどう思っていらっしゃるんでしょうか？」

直哉さんは結婚の意思がなくても、茉莉恵さんはどうか分からない。彼女の気持ちによっては、直哉さんの結婚話をないものにするのは、とても難しいんじゃないのかな。

不安を覚えながら尋ねると、彼は深いため息とともに教えてくれた。

「それが、茉莉恵はどこか煮え切らない態度なんだ。俺たちは、学生の頃からお互いに恋愛感情はなかった。だから、破談にするのは難しいいとは思わなかったんだが」

「それは、茉莉恵さんが本当は直哉さんを好きだからとか？　それか、お父様に逆らえない部分があるのかもしれないですよ」

私としては、茉莉恵さんが直哉さんを好きでいてほしくない。彼女の気持ちが彼になければ、少しは自分に期待を持てれるかもしれないから。

社長に私を認めてもらうの単ではないだろうけれど、それでも直哉さんへの想いを諦めたくないと思っていた。
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