副社長は今日も庇護欲全開です
幸せな日々は永遠です
茉莉恵さんが訪ねてきてから二週間後、私たちは四人で直哉さんと茉莉恵さんのお父さんに会うことになった。
直哉さんと住川さん、そして茉莉恵さんとの四人。ホテルのレストランで待ち合わせをしている。表向きはランチを……ということになっているけれど、そんな穏やかなものになるわけがないことは分かっていた。
「直哉さん、緊張しますね……」
私たちと住川さん、茉莉恵さんは社長たちより一足先にレストランで待っている。個室だから、気兼ねなく話せるけれど、その分余計に緊張した。
「大丈夫だよ。陽菜には、俺がついている」
隣に座る直哉さんは、私に小さな笑みを見せた。同じく並びに座っている住川さんは、いつものクールな表情。その隣の茉莉恵さんは、私と同じくどこか落ち着かない雰囲気だった。
「茉莉恵、落ち着かないと。焦っていても、仕方がない」
ふいに住川さんがそう言い、つい目だけ彼のほうへ向いてしまう。住川さんが、直哉さん以外の人に話しかけるのを見るのが初めてだったから。それに、相手は女性。それも、住川さんの好きな人だと思うと、つい意識してしまっていた。
「ごめんなさい、たかちゃん……」
”たかちゃん”!? 思わず住川さんを二度見してしまったけれど、それは直哉さんも同じだったようで、目を丸くして住川さんを見ている。
そんな私たちの視線に気づいたらしい住川さんは、小さく咳払いをすると無表情のまま静かに座っていた。
きっと、彼と茉莉恵さんには、直哉さんすら知らなかった二人だけの世界があるんだろうな……。
そう思いを巡らせていると、ドアがノックされる音がして、店員さんに案内されながら社長二人が入ってきた。
その瞬間、直哉さんと住川さんがすっと立ち上がる。私と茉莉恵さんは、遅れるように立ち上がった。
「あなたが、下村陽菜さんか?」
低く太い声の真中社長は、険しい表情で私を見据えた。
直哉さんと住川さん、そして茉莉恵さんとの四人。ホテルのレストランで待ち合わせをしている。表向きはランチを……ということになっているけれど、そんな穏やかなものになるわけがないことは分かっていた。
「直哉さん、緊張しますね……」
私たちと住川さん、茉莉恵さんは社長たちより一足先にレストランで待っている。個室だから、気兼ねなく話せるけれど、その分余計に緊張した。
「大丈夫だよ。陽菜には、俺がついている」
隣に座る直哉さんは、私に小さな笑みを見せた。同じく並びに座っている住川さんは、いつものクールな表情。その隣の茉莉恵さんは、私と同じくどこか落ち着かない雰囲気だった。
「茉莉恵、落ち着かないと。焦っていても、仕方がない」
ふいに住川さんがそう言い、つい目だけ彼のほうへ向いてしまう。住川さんが、直哉さん以外の人に話しかけるのを見るのが初めてだったから。それに、相手は女性。それも、住川さんの好きな人だと思うと、つい意識してしまっていた。
「ごめんなさい、たかちゃん……」
”たかちゃん”!? 思わず住川さんを二度見してしまったけれど、それは直哉さんも同じだったようで、目を丸くして住川さんを見ている。
そんな私たちの視線に気づいたらしい住川さんは、小さく咳払いをすると無表情のまま静かに座っていた。
きっと、彼と茉莉恵さんには、直哉さんすら知らなかった二人だけの世界があるんだろうな……。
そう思いを巡らせていると、ドアがノックされる音がして、店員さんに案内されながら社長二人が入ってきた。
その瞬間、直哉さんと住川さんがすっと立ち上がる。私と茉莉恵さんは、遅れるように立ち上がった。
「あなたが、下村陽菜さんか?」
低く太い声の真中社長は、険しい表情で私を見据えた。