副社長は今日も庇護欲全開です
「わ、私は……」
自分の気持ちを伝えなくちゃ……。それなのに、言葉が出ない。隣の直哉さんは、そんな私を見ると、社長へ強い口調で言った。
「お父さん、もういいでしょう。陽菜を、責め立てないでほしい」
「私に意見も言えないお嬢さんを、お前の結婚相手に認めるわけにはいかないな」
社長に静かにそう言われ、ぎゅっと強く拳を作る。自分に勇気を持たなければ、認めてもらう余地すらないんだ……。いつも、こうやって直哉さんに守られているばかりじゃいけない……。
「真中社長、竹田社長、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません。ですが、私は直哉さんとこれからもお付き合いをしたいと思っています」
声は震えるけれど、素直な気持ちを一つずつゆっくりと言葉にする。すると、社長はどこか驚いたように私を見た。竹田社長も、黙って聞いてくれている。
「直哉さんは、私の想いを大切にしてくれています。とても誠実に、未来を考えtくれているんです。そんな直哉さんに、私も応えたいですし、支えになりたいと思っています」
分かってもらえるか分からない。だけど、伝えずにはいられなかった。
「茉莉恵さんとの結婚は、会社のためだと言っても、あなたは同じことを言うのかね?」
”会社”を出されると、口を紡いでしまう。だけど、それには直哉さんが、すぐに答えてくれた。
「茉莉恵さんと結婚しなくても、会社に利益をもたらずことはできます。俺は、必ずそうします」
「社長、微力ながらも、私も副社長をお支えします」
住川さんも一歩前へ出てそう言う。茉莉恵さんは、「おじ様、お父さんお願い」と懇願するように口にしている。
すると、真中社長がふいに微笑んだ。そして、竹田社長も小さく首を横に振った。
「やれやれ、やっぱり説得は難しそうですね。竹田社長」
「本当ですな。茉莉恵、お前の気持ちはとっくに知っていたさ」
二人の社長の会話が見えない私は、呆然としてしまう。反射的に直哉さんに視線を向けたけれど、彼はいつもどおり涼しげな表情をしていた。
「ほ、本当なの?」
「ああ。お前に”たかちゃん”という人がいるくらい、知っていたさ。しょっちゅう、電話をしていただろう?」
竹田社長の言葉に、茉莉恵さんは顔を赤らめて俯いている。そして住川さんは、竹田社長に向かって頭を下げていた。
いったい、どうなっているの……?
自分の気持ちを伝えなくちゃ……。それなのに、言葉が出ない。隣の直哉さんは、そんな私を見ると、社長へ強い口調で言った。
「お父さん、もういいでしょう。陽菜を、責め立てないでほしい」
「私に意見も言えないお嬢さんを、お前の結婚相手に認めるわけにはいかないな」
社長に静かにそう言われ、ぎゅっと強く拳を作る。自分に勇気を持たなければ、認めてもらう余地すらないんだ……。いつも、こうやって直哉さんに守られているばかりじゃいけない……。
「真中社長、竹田社長、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません。ですが、私は直哉さんとこれからもお付き合いをしたいと思っています」
声は震えるけれど、素直な気持ちを一つずつゆっくりと言葉にする。すると、社長はどこか驚いたように私を見た。竹田社長も、黙って聞いてくれている。
「直哉さんは、私の想いを大切にしてくれています。とても誠実に、未来を考えtくれているんです。そんな直哉さんに、私も応えたいですし、支えになりたいと思っています」
分かってもらえるか分からない。だけど、伝えずにはいられなかった。
「茉莉恵さんとの結婚は、会社のためだと言っても、あなたは同じことを言うのかね?」
”会社”を出されると、口を紡いでしまう。だけど、それには直哉さんが、すぐに答えてくれた。
「茉莉恵さんと結婚しなくても、会社に利益をもたらずことはできます。俺は、必ずそうします」
「社長、微力ながらも、私も副社長をお支えします」
住川さんも一歩前へ出てそう言う。茉莉恵さんは、「おじ様、お父さんお願い」と懇願するように口にしている。
すると、真中社長がふいに微笑んだ。そして、竹田社長も小さく首を横に振った。
「やれやれ、やっぱり説得は難しそうですね。竹田社長」
「本当ですな。茉莉恵、お前の気持ちはとっくに知っていたさ」
二人の社長の会話が見えない私は、呆然としてしまう。反射的に直哉さんに視線を向けたけれど、彼はいつもどおり涼しげな表情をしていた。
「ほ、本当なの?」
「ああ。お前に”たかちゃん”という人がいるくらい、知っていたさ。しょっちゅう、電話をしていただろう?」
竹田社長の言葉に、茉莉恵さんは顔を赤らめて俯いている。そして住川さんは、竹田社長に向かって頭を下げていた。
いったい、どうなっているの……?