副社長は今日も庇護欲全開です
「え……?」
副社長はドアを開け、住川さんになにかを話している。どういう意味なのか分からない私は、その状況をただ見守るだけ。
すると、副社長が戻ってきた数分後、住川さんがお茶を二つ持ってきてくれた。
それは上品なカップ&ソーサーで、ハーブの香りがする。
優しくそれをテーブルに置いてくれた住川さんは、小さな笑みを私に向けたあと、秘書室へ戻っていった。
「あの……これ……」
「ハーブティーなんだけど、下村さん飲める? ラベンダーらしいんだが」
「は、はい。ハーブティーは大好きです。ありがとうございます」
リラックスしようって、そういうことだったんだ。まさかの気遣いが、素直に嬉しい。
副社長は、厳しくてクールなイメージだけれど、優しいところもあるんだ……。
「副社長も、ハーブティーがお好きなんですか?」
「いや、普段は飲まないな。これは、取引先からいただいた物でね。きみの口に合うかと思って」
口調も表情も素っ気ないのに、人としての冷たさを感じない。
でもそれもそうで、金曜日の夜も、言葉は厳しかったけれど、見ず知らずの私を助けてくれたものね……。
あまりに世界が違う人だからか、冷たいだけの人だと思い込んでいた。
副社長はドアを開け、住川さんになにかを話している。どういう意味なのか分からない私は、その状況をただ見守るだけ。
すると、副社長が戻ってきた数分後、住川さんがお茶を二つ持ってきてくれた。
それは上品なカップ&ソーサーで、ハーブの香りがする。
優しくそれをテーブルに置いてくれた住川さんは、小さな笑みを私に向けたあと、秘書室へ戻っていった。
「あの……これ……」
「ハーブティーなんだけど、下村さん飲める? ラベンダーらしいんだが」
「は、はい。ハーブティーは大好きです。ありがとうございます」
リラックスしようって、そういうことだったんだ。まさかの気遣いが、素直に嬉しい。
副社長は、厳しくてクールなイメージだけれど、優しいところもあるんだ……。
「副社長も、ハーブティーがお好きなんですか?」
「いや、普段は飲まないな。これは、取引先からいただいた物でね。きみの口に合うかと思って」
口調も表情も素っ気ないのに、人としての冷たさを感じない。
でもそれもそうで、金曜日の夜も、言葉は厳しかったけれど、見ず知らずの私を助けてくれたものね……。
あまりに世界が違う人だからか、冷たいだけの人だと思い込んでいた。