副社長は今日も庇護欲全開です
それに、真美香もなんてことをしてくれたのか。彼女を恨めしくも思いながら、島本さんの手を小さくほどこうとする。
だけど彼は、さらに強い力で私の腕を掴んだ。
「真美香ちゃんたちは、もう二次会に行ったから。俺たちは、二人で飲み直さないか?」
「……困ります。今夜は、コンパだって知らされずに来たんです。だから、そういうつもりはなくて」
痛いくらいに腕を掴まれて、少し怖くなってくる。彼の手を離したいのに、私の力なんて簡単に抑えられてしまっていた。
「聞いたよ。陽菜ちゃんって、恋愛には奥手なタイプなんだろ? ますます好みなんだよな、そういう控えめな女性って」
「あの……」
どうすれば、分かってもらえるんだろう。私は、真美香に二人で食事をしようと誘われて来ただけ。
出会いを、求めていたわけではないのに……。とにかく、腕を離してもらわなければ。
「島本さん、腕を離してください。私は、ここで失礼します」
「どうして、そんなに拒むんだよ? 少しくらいいいだろう。他の店に飲みに行こう」
「ですから、嫌ですってば……」
大声を上げるには抵抗がある。だけど、このまま強引に連れて行かれるわけにはいかない。
彼の腕をふりほどこうとしていると突然、島本さんの背後から男の人が声をかけてきた。
「彼女、嫌がってるんじゃないのか?」
だけど彼は、さらに強い力で私の腕を掴んだ。
「真美香ちゃんたちは、もう二次会に行ったから。俺たちは、二人で飲み直さないか?」
「……困ります。今夜は、コンパだって知らされずに来たんです。だから、そういうつもりはなくて」
痛いくらいに腕を掴まれて、少し怖くなってくる。彼の手を離したいのに、私の力なんて簡単に抑えられてしまっていた。
「聞いたよ。陽菜ちゃんって、恋愛には奥手なタイプなんだろ? ますます好みなんだよな、そういう控えめな女性って」
「あの……」
どうすれば、分かってもらえるんだろう。私は、真美香に二人で食事をしようと誘われて来ただけ。
出会いを、求めていたわけではないのに……。とにかく、腕を離してもらわなければ。
「島本さん、腕を離してください。私は、ここで失礼します」
「どうして、そんなに拒むんだよ? 少しくらいいいだろう。他の店に飲みに行こう」
「ですから、嫌ですってば……」
大声を上げるには抵抗がある。だけど、このまま強引に連れて行かれるわけにはいかない。
彼の腕をふりほどこうとしていると突然、島本さんの背後から男の人が声をかけてきた。
「彼女、嫌がってるんじゃないのか?」