副社長は今日も庇護欲全開です
「ど、どうして分かるんですか⁉︎」

思わず動揺すると、副社長にクスクスと笑われた。なんだか、心を見透かされているようで恥ずかしい。

「いや、分かったんじゃない。すまない、カマをかけただけだ」

「カマ……ですか?」

いったい、なにが目的で? いまひとつ状況が飲み込めないでいると、副社長の目が、真剣な眼差しに変わった。

「ああ。きみに、気にかけてもらえていたら、嬉しいと思ってね」

「え……? そ、それは、どういう意味ですか?」

胸が高鳴る……。真っ直ぐ私を見つめる彼の視線に、目をそらすことができなかった。

「下村さんと話をしていると、不思議とどこか落ち着く。きみを支えたいとも、思ってしまってるんだ」

「副社長……。それは、私も同じです。こんなにお優しくて、親しみやすい方だと思っていなくて……」

クールで近寄りがたいイメージのまま……ではなかったことが、こうやって二人で会うたびに感じる。

すると、副社長は少しだけ表情を和らげで言った。

「俺は、きみをもっと知りたい。これからも、二人で会ってもらえないか?」
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