副社長は今日も庇護欲全開です
「ん……。直哉さ……ん」

彼に舌を絡められ、どんどん体が熱くなっていく。こんなに、濃厚なキスをされるなんて……。

胸の奥からこみ上げるこの気持ちは、きっと愛おしいというんだろうな……。

高鳴る想いを感じながら、私も彼の背中に手を回していた。

◇ ◇ ◇

「直哉さん、素敵なお店に連れてきてくださって、ありがとうございました」

お店をあとにし、車に乗ると彼に笑みを向ける。すると、直哉さんはシートベルトを締めながら、穏やかな微笑みを見せた。

「気に入ってもらえてよかった。まだ、時間は大丈夫?」

「はい、もちろんです」

まだ明るい時間だし、彼と一緒にいたい。副社長と恋人同士になっただなんて、いまだ信じられない思いだけれど……。

「何時まで?」

「えっ?」

何時まで……? そう質問されると、答えにくいな。特に、考えていなかったから……。

むしろ、直哉さんはどうなんだろう。仕事があったりするのかもしれないし、あまり遅くならないほうがいいのかな……。

頭のなかであれこれ考えていると、彼が静かに言った。

「時間を気にしなくて大丈夫? もしそれなら、うちへ来ないか?」
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