泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
『姉……ちゃん』
呼んでいいのか分からなかった。
ふわふわしてて、自分は宙に浮いている感覚がした。
目の前に、ずっと探してた姉がいる。
なんで俺を庇ったのかとか、世話してくれてありがとうとか、俺が生きた世界にはどんなことがあったかとか、話したいことが沢山あるんだ。
……1番話したいのは、俺が誰よりも愛した可愛い女の子の話かな。
俺を庇って、命を落としたバカ姉。
……本当は、ずっと会いたかった人。
「……おかえり、奈々絵」
振り返った姉ちゃんは、俺を見て優しく笑った。
~End~