泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。




『姉……ちゃん』



呼んでいいのか分からなかった。



ふわふわしてて、自分は宙に浮いている感覚がした。





目の前に、ずっと探してた姉がいる。





なんで俺を庇ったのかとか、世話してくれてありがとうとか、俺が生きた世界にはどんなことがあったかとか、話したいことが沢山あるんだ。





……1番話したいのは、俺が誰よりも愛した可愛い女の子の話かな。





俺を庇って、命を落としたバカ姉。





……本当は、ずっと会いたかった人。





「……おかえり、奈々絵」







振り返った姉ちゃんは、俺を見て優しく笑った。





~End~
< 112 / 115 >

この作品をシェア

pagetop