泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
病室に足を踏み入れ、俺は奈々絵のベッドの近くまで歩く。
バッと効果音がしそうな勢いで、俺は顔の布を剥ぎ取った。
罰当りだとかそんなんどうでもよかった。
バチが当たるってんなら当たれってんだよ!
どんとこいだ。
しかし、剥ぎ取って顕わになった顔は、演技なのではないかと思うほど綺麗で、穏やかな顔をしていた。
…………そいつは、笑っていたのだ。
それも、今までで一番自然な顔で。