泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
「……これからどうすればいいんだ」
焼かれている奈々絵を見ながら、思わずそんな言葉を口にしてしまう。
いつも俺を導いたのは奈々絵だった。
死ぬのをやめようと思わせてくれたのも、泣き虫で意地っ張りな俺の化けの皮を剥がしてくれたのも。
まるで心にぽっかり穴が開いたみたいだ。
家族にも親戚にも一切慕われなかったその親友は、俺からすれば誰よりも慕っていた奴で、命の恩人で、神様だった。
悲しすぎるくらいに。