泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
「は?」
思わず聞き返してしまった。
「……なれませんよ。頭悪いですし」
「それは環境のせいだろう。それに、今からでもちゃんと頑張れば、まだ2年はあるんだから、受験には間に合うよ。成績だって、平均4.1以上までなら頑張ればきっと上げられる。体育このまま出ない気なら、5.0は無理だけどね」
「……少し、考えます」
震えた声で俺は言った。
結局、その後二者面談は大した話もせずに終わり、放課後になった。
「空我ー、おっそ。まじおっそいじゃんお前。問題児だからか?」
廊下で待ってた怜央が、だる絡みしてくる。
「……うるせー。じゃあな」
それを雑にあしらって、俺は学校を出た。