泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
「潤ー」
インターホンを押して、潤を呼んだ。
「あれ、空我今日来れるようになったのか?面談あるとか言ってなかったっけ?」
家から出てきた潤は首を傾げる。
「……あったよ。終わったからきた。来ちゃいけないわけ?」
意地の悪い言い方だと自分でも思った。
「そんなこと言ってないだろ」
「じゃあ泊めて」
潤に抱きついて俺は言う。
「……ん、いいよ」
潤は俺の頭を撫でて、嬉しそうに口角を上げて笑った。
俺はこいつの恋心を利用している。
頼りたい時しか頼ってない。
きっと潤はその事実に気づいてるのに、それでいいと思っている。
――俺は最低だ。