泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
鎖骨、腕、手首、腹と順番に触られる。感じるのは鈍い痛みだけで、耐えようと思えば耐えられる。でも、結構痛い。
「……空我」
「痛っ! ……なんだよ」
「電気つけていいか」
「だから嫌だっつーの」
「空我、つけなさい」
耳元で低く囁かれた。母親に命令されたのを思い出して怖くなった俺は慌ててベッドの近くにあった小型のライトをつけた。
「……潤、お前最低」
「わかってる。ごめん。でも、嫌な予感がし……」
虐待の跡を見て、潤は絶句した。