泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。

「……別に、怖いままでもいんじゃねぇの? 少しずつまともに話したりできるようになれば。母親も、お前がどう思ってるかくらいわかってるっしょ」

 俺の頭を撫でて、潤は笑う。

「……それでいいのかな」

「いーんだよ! だから二人のこと信じられるようになるためにも、やっぱ孤児院か精神科で働けば?」

「……うん」

 小さな声で、俺は頷いた。

 それから俺は三年後、東大を受けた。

 潤は高校の偏差値が七〇くらいのとこに通ってたし、成績もよかったから、推薦で受かったんだ。

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