泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
「あ、あ……」
意味もわからず、嗚咽が出てくる。
本当は、こうやってちゃんと認めて欲しかった。
誕生日を祝ってもらって、
生まれてきてくれてありがとうって、
生きててよかったんだって言われたかった。
何をされても、どうしても嫌いになれなくて、本当は大好きだった母さんに。
紙袋を受け取ったら、消えてしまうんじゃないかと疑う。
そんな筈もないのに。
全部幻覚なんかではなくて、
確かに今起きてることの全てが現実で、
俺はそれをどう受け止めたらいいかなんて、
全然わからなかった。
ただただ、どうしようもなく涙が溢れ出して
しょうがない。