泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
「ほら、空我……着替えてこいよ」
潤が俺の頭を撫でて、笑った。
「……うんっ」
俺が頷くとすぐに、潤を含む虹蘭のメンバーはリビングルームに入っていった。
俺は紙袋を今度こそきちんと受け取り、二階にある自分の部屋に行って、スーツ姿に着替えた。
コンコン
「空我」
「あ、父さん」
着替え終わったところでノックされ、部屋に父さんが入ってきた。
「誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとうな。
……ネクタイ買ってきたから、巻いてやる」
紺色のネクタイを俺の首に巻いて、
父さんは楽しそうに笑った。