泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
バコッ
「うわああ!!」
ダンボールが落ちた音ともに、潤の叫び声が聞こえた。なにかと思い、俺は慌てて下まで降りた。
「潤?
どうした?」
「どうしたじゃない!!ダンボールの宛名見てみろ!!!」
え?
「……嘘だ」
ダンボールの差出人のところには、
【赤羽奈々絵】という文字が書かれていた。
「アハハ!
奈々絵らしいわね」
リビングルームから出てきためぐは、何かを思いついたかのように笑った。
「ほら、宅配便って、届ける日指定できるじゃない?
多分、奈々絵は全部わかってたのよ。
空我が今日誕生日だってことも、あんたがそれを秘密にするってことも、……………自分がその日を迎える前に他界することもね」
本当にあいつは、どうしてそんなところまで頭が回るのか。
「……空我、リビングで開けるぞ」
潤が、低い声を出してダンボールを持ち上げて言った。
「あ、ああ」