泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
『空我、もうお前が欲しかったものは全部手に入ったんだ。怖がんな、怯えんな。人生楽しめよ?
……悪い、たぶんお前が一番俺が死んだことに責任感じてると思う。……それでもさ、俺はあの選択を後悔してないよ。命懸けで追いかけて良かったと今も本気で思ってる。
…………楽しかったよ、サプライズをされた日、俺はお前に救われた。初めて、死んだ姉さんに生きてていいよって言われた気がしたんだ。
そうそう。あの約束は俺が死んだ今も続いてるから。
……空我、延長戦だ。
俺が死ぬまでではなく、俺はお前が幸せだって心の底から言えるようになるまで、俺はお前を一生許さない』
口角を上げてかすかに笑いながらいう奈々絵の瞳から、一筋の涙が零れ落ちた。
泣いたってしょうがないのに、もらい泣きするみたいに、勝手にボロボロと涙が零れて、どうしようもなく泣けてくる。