泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
《恵美side》
『……死んでからこんなことを言うのは、卑怯かもな。
……でもなぁ、恵美、それでも俺はあんたに覚えてて欲しいんだ。
俺がお前の初恋相手だったことも、お前が俺の最初で最後の女だったことも。
……俺は、狂おしいほどあんたを愛してる』
テレビのスピーカーから流れる奈々絵
の声が、愛しくて仕方がない。
こんなことされたら、あたしはきっと、何年経っても奈々絵が好きなままだよ。
奈々絵、奈々絵……。
死ななければよかったのに。
もっともっと、そばにいてくれたら……。