泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
爽月さんは、俺達を実家に案内してくれた。
「「「「お邪魔します」」」」
「紫苑だけでなく、あの子まで死んだのは貴方のせいでしょ!」
「何を言う!お前だって、奈々絵を嫌っていたじゃないか!」
足を踏み入れた途端、耳をつんざくような怒鳴り声が聞こえた。
……今、なんて言った?
奈々絵って、言わなかったか?
「ごめんね。彼が息を引き取ったという話があってから、私の親や親戚は、こんな言い争いばかりしているんだ」
その言葉に、
俺達は思わず何も言えなくなった。