泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
よく、ある人を嫌っていた人は死んで初めてその人の有難みがわかると言う。
そういうこと……なんだろうか。
死ぬ前に気づけよ。
……あいつがどんな思いしてたかお前らに
想像つくのかよ。
「ここが僕の部屋だ。
お茶を持ってくるから、入ってていいよ」
玄関から広がる廊下の右端にあった部屋のドアを開け、爽月さんはそういう。
反対側の畳式の居間へ爽月さんが消え、
俺達は5人でその人の部屋に入った。