泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
俺達は、フローリングのついた床にそれぞれ胡座を書いて座った。
爽月さんの部屋は床だけでなく、家具も同じような茶色や褐色でかなり統一感があり、落ち着いた雰囲気を醸していた。
「……なぁ、今すぐ奈々絵の親戚ども殴りに行っていいか」
俺はドアにもたれかかり、恐らく居間から響いているのであろう喧嘩の声に耳をすませながらいった。
「行っちゃダメに決まってんでしょ!あんたは単細胞すぎ!」
「なっ、別に普通だろ!!あんなん見てて腹立たない方がおかしいんだよ!」
おれは目の前にあったテーブルを拳で殴って喚いた。