泣き跡に一輪の花Ⅱ~Victim or Notice~。
ふざけるな。
あいつが、どんな思いしたと思ってる。
もう死んだのに今更ごめんなさい?
届かねぇよクソがっ!!
「……すまない」
「……謝って済んだら、警察はいらないんだよ」
「……そうだな。僕は最低だ。それなのに、彼は僕を赦した。口では許さないと言っておきながら、彼は僕に優しく接した。……僕が自殺をさせてしまった詫びになにかをしようとしたら、そのたびにきちんと礼を言ってくれて、僕を大切に扱ってくれた。
……自殺をする原因を作った人間に、彼は優しく接したんだ」
――あいつなら、やりそうなことだ。
そう思った瞬間、俺の瞳から涙がこぼれた。
「……知ってんだよ。嫌という程知ってんだよ!あいつが良い奴だってことくらい!!あいつは優しいんだよ!自分は病気なのに、それなのに死のうとした俺を必死で止めようとするくらい! 優しすぎて嫌になるくらいあいつは優しくて、……自分のことを本当に大切にしてないっ!」