君ともう一度 あの春を迎えよう
朝の読書の時間に浸っていると、
いつものように、
元気な声がした。
その声は、いつも俺に向けられている。
視線を上げると、
そこにいたのは、クラスメイトの男。
「よっ。
おはよ。」
彼は、葉月 優輝。
明るめの髪に、整った顔立ち。
常に明るく、名前の通り優しいコイツは、
いわゆる、ムードメーカーというやつ。
・・・まあ、確かに 懐の深そうな顔してる。
明らかにクラスで浮いてる俺に、
朝イチで声をかける時点で、
只者じゃない。
「・・・おはよう。
何?」
俺が少し素っ気なく返事をしても、
目の前の彼は、
呆れながらではあるけれど、笑っている。
「何って・・・。
用がなかったら、話しかけちゃダメなのかよ?」
「・・・いや、
そういう訳じゃ・・・。」
「ならいいじゃん。
こういう他愛もないやりとりって
案外大事なんだぞ?」
「・・・そう。」
ああ。
疲れる。
人と話すことさえ、最近億劫なんだよな・・・。
すると、
葉月が 顔を覗き込んできた。
「お前、顔色悪くねぇか?
熱でもあんの?」
「えっ・・・。」
「なんか、病人ぽい顔してる。」
失礼じゃないか?
そう思いながらも、
「無い、けど・・・。
元気。」
「元気か?それ。
まぁ、あんま無理すんなよ。
本当にきつくなったら、
遠慮なく保健室行けよ。」
「うん・・・。
分かった。」
顔色が悪いのも、
病人ぽく見えるのも、
ここのところ、毎朝葉月に捕まって、
会話してるからなんだけど。
そんな俺の心の声は、
突然頭を抱えた葉月の声に
かき消された。
「やべっ!!
オレ、センセーに呼び出しくらってんだった!
・・・やっぱり、立て続けに課題出さなかったからかな。
そんくらい見逃してくれてもいいのに!
じゃあな!佐倉!」
「・・・うん。」
・・・なんだったんだ。
そりゃあ、課題を提出していなかったら、呼び出しくらい当然だ。
ましてや、連続だなんて、
許される筈がない。
ここは、一応進学校だし。
・・・そもそも、
あんなんで どうやって入試パスしたんだ。
態度面の評価で稼いだのかな。
というか、
葉月は、
とりあえず 変な奴だ。
俺なんかと、関わらなくていいのに。
俺と仲良くなったところで、
何も 無い。
葉月に得な事なんて
何も。
それなのに、
なんで。
あいつが 俺に話しかけてくるようになったのは、
確か、今から3ヶ月くらい前。
クラス替えの 直後だったと思う。
いつものように、
元気な声がした。
その声は、いつも俺に向けられている。
視線を上げると、
そこにいたのは、クラスメイトの男。
「よっ。
おはよ。」
彼は、葉月 優輝。
明るめの髪に、整った顔立ち。
常に明るく、名前の通り優しいコイツは、
いわゆる、ムードメーカーというやつ。
・・・まあ、確かに 懐の深そうな顔してる。
明らかにクラスで浮いてる俺に、
朝イチで声をかける時点で、
只者じゃない。
「・・・おはよう。
何?」
俺が少し素っ気なく返事をしても、
目の前の彼は、
呆れながらではあるけれど、笑っている。
「何って・・・。
用がなかったら、話しかけちゃダメなのかよ?」
「・・・いや、
そういう訳じゃ・・・。」
「ならいいじゃん。
こういう他愛もないやりとりって
案外大事なんだぞ?」
「・・・そう。」
ああ。
疲れる。
人と話すことさえ、最近億劫なんだよな・・・。
すると、
葉月が 顔を覗き込んできた。
「お前、顔色悪くねぇか?
熱でもあんの?」
「えっ・・・。」
「なんか、病人ぽい顔してる。」
失礼じゃないか?
そう思いながらも、
「無い、けど・・・。
元気。」
「元気か?それ。
まぁ、あんま無理すんなよ。
本当にきつくなったら、
遠慮なく保健室行けよ。」
「うん・・・。
分かった。」
顔色が悪いのも、
病人ぽく見えるのも、
ここのところ、毎朝葉月に捕まって、
会話してるからなんだけど。
そんな俺の心の声は、
突然頭を抱えた葉月の声に
かき消された。
「やべっ!!
オレ、センセーに呼び出しくらってんだった!
・・・やっぱり、立て続けに課題出さなかったからかな。
そんくらい見逃してくれてもいいのに!
じゃあな!佐倉!」
「・・・うん。」
・・・なんだったんだ。
そりゃあ、課題を提出していなかったら、呼び出しくらい当然だ。
ましてや、連続だなんて、
許される筈がない。
ここは、一応進学校だし。
・・・そもそも、
あんなんで どうやって入試パスしたんだ。
態度面の評価で稼いだのかな。
というか、
葉月は、
とりあえず 変な奴だ。
俺なんかと、関わらなくていいのに。
俺と仲良くなったところで、
何も 無い。
葉月に得な事なんて
何も。
それなのに、
なんで。
あいつが 俺に話しかけてくるようになったのは、
確か、今から3ヶ月くらい前。
クラス替えの 直後だったと思う。