優しい音を奏でて…優音side

俺のくだらないヤキモチだって事は、分かってる。

だけど、抑えられなかったんだ。

なのに、康太はきょとんとした顔をして、その後平然と、

「えぇ〜!? いいよ〜。
優音のより、かなでのノートの方が字が綺麗で
見やすいし。」

と言ってのけた。

俺はもう、二の句が継げなくて、口をパクパクするしかなかった。


俺は、その時のドサクサで『かなで』って呼び捨てにしたのを機に、『奏ちゃん』を卒業して『奏』って呼ぶようになった。


奏にまとわりついてた康太だったが、ひと月後、ゴールデンウィーク明けにあっけなく席替えされて、奏から遠く離れた。

ざまぁ見ろ!



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