優しい音を奏でて…優音side
高校生
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高校生

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─── 15歳 春 ───

俺たちは、無事、志望校に合格した。

長い春休み。

俺は、受験の疲れもあり、朝10時まで寝ていた。

寝ぼけた顔にボサボサの頭で、パジャマのまま1階に下りると、ダイニングで母とまったりお茶を飲む奏と目が合った。

「ゆうくん、おはよ。」

奏がくすくす笑う。

「………おはよ。」

言ってから、気づいた。
俺、今、めっちゃカッコ悪くない?

慌てて洗面所に駆け込み、顔を洗って、寝癖を直した。

その後、もう一度、2階に駆け上がり、着替えて下りてくる。


もう、しばらく、奏には会えないと思っていたのに、なぜか奏は俺ん家にいる。


なぜだ?


「何で、奏がうちにいるの?」

奏のくすくすが止まらない。

「私が誘ったに決まってるじゃない。
奏ちゃん、宿題がいっぱい出た上に、高校で
習う単元も教科書見てやって来いって
言われたんだって。
昨日、翔子ちゃんが電話で言ってたから、
優音に聞けば?って誘ったの。」

翔子ちゃんっていうのは、奏のお母さんだ。

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