優しい音を奏でて…優音side
─── 15歳 夏 ───
今年も河合が花火に誘ってきた。
奏も参加なのを確認して、参加で返信をする。
奏は、今年も浴衣かな?
淡い期待を抱いて、待ち合わせ場所に行く。
浴衣だ!
浴衣姿の奏は、破壊力抜群だ。
俺は理性を失って、手を繋ぎたい衝動に駆られる。
だけど、いつも奏は、女子の中心にいて、俺の手は届かない。
残念…
結局、この年も、浴衣姿の奏を眺めるだけで、終わってしまった。