優しい音を奏でて…優音side

─── 22歳 3月 ───

父が勤める銀行から、内定をもらった俺は、
実家に帰った。

そこで、奏が東京で就職した事を知った。

想定外だった。

奏は、家を出るタイプじゃないと勝手に思い込んでいた。

こんな事なら、東京でキャリア官僚にでもなればよかった。

後悔しても、しきれない。


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