優しい音を奏でて…優音side
─── 翌 12月15日(土) ───
朝10時。
もうすぐクリスマス。
奏にプレゼントをあげたい。
何をあげようか迷いながら、買い物に出た。
バッグ
靴
アクセサリー
奏は何に喜ぶだろう?
奏を想いながら、冬の街を歩く。
俺は、一軒の宝飾店に入った。
指輪…
あげたいけど、付き合ってもいないのに、重いって思われるかな?
店内のショーケースを眺めていると、一本のネックレスが目に止まった。
プラチナの少し変わったお洒落なチェーンにト音記号がぶら下がってる。
ト音記号の下の丸くなった所には小粒のダイヤ。
奏のためにあるようなネックレスだと思った。
プラチナとダイヤでできたそれは、決して安くはないが、これこそ奏のためのプレゼントだと思えた。
俺は、即決で店員さんを呼んで包んでもらった。
クリスマスが楽しみになった。