優しい音を奏でて…優音side
「お待たせ。」
ハーフアップにしたストレートの長い髪がさらりと揺れる。
「うん。奏、綺麗。」
「あ、ありがと。」
照れる奏もかわいい。
「行こ。」
手を繋いでエレベーターに乗る。
指を絡ませてみる。
奏が焦ってるのが指から伝わる。
やっぱりかわいい。
駐車場から、車を走らせる事10分。
如月という看板も出していない日本料理店に着いた。
ここは、両親の行きつけの店だ。