優しい音を奏でて…優音side

「お待たせ。」

ハーフアップにしたストレートの長い髪がさらりと揺れる。

「うん。奏、綺麗。」

「あ、ありがと。」

照れる奏もかわいい。

「行こ。」

手を繋いでエレベーターに乗る。

指を絡ませてみる。

奏が焦ってるのが指から伝わる。

やっぱりかわいい。



駐車場から、車を走らせる事10分。

如月という看板も出していない日本料理店に着いた。

ここは、両親の行きつけの店だ。
< 58 / 98 >

この作品をシェア

pagetop