先生あのね。
「よくやるよね〜美琴〜」

『ははは…蒼先生のためだからね…そろそろ死にそうだけど…』

「でも、長谷っちもこの頃頑張ってんじゃん、」

『そうなの?』

「この前、夜遊んで帰りにばったり会っちゃってさ、まぁ、長谷っちは、気づいてないと思うけどさ、終電にスーツで走りこんできて、びっくりだよね、しかも片手にあんたの補習のプリント持ってたよ。赤ペンで必至に間違えてるとこ直してたっぽいよ。」

「まぁ、担任とテニス部の顧問と、あんたの補習と3つも掛け持ちするとかそろそろ体もたないよ。あの鬼でも。」

友達の話を聞いて、衝撃だった。
そんなにこんな自分1人のために時間をかけてくれてる事を初めて知った。

その日から少しずつ、奏多先生への気持ちの変化があった。
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