くまさんとうさぎさんの秘密
by 宇佐美 優那
優矢に振り回されて、踊りの輪に入りそびれた。かき氷を食べていると、踊り疲れたみんながこちらに帰って来た。
「そう言えば、平林さん、屋台やってるお友達のところをのぞいてくるって。」と、あゆみが言った。
「宇佐ちゃんが忙しそうだったから、行っちゃったよ。たこ焼きか何かって言ってた。」
私が誘ったのに、ほったらかしにして申し訳なかった。。
お父さんと優矢は踊ってくると言うので、みんなでぞろぞろと平林さん探しに行くと、彼女はすぐに見つかった。
専門学校生の出してる店だった。
すごく、可愛い髪飾りやら、帯飾り、アクセサリーの店の隣に、ちょっと変わり種のタコ焼の店があった。
平林さんは、ご機嫌だった。「宇佐ちゃん、チーズ餅も、ソーセージも、牛スジ蒟蒻とか、意外なほど美味しいよ。」と、彼女は言った。
リュウジさんと、キヨシさんと、それから、松野さんがいた。
「タコ焼とは言わないかもしれないけどな。」と、くまさんが言った。
ちょっと割高ではあったけど、確かにいろいろ面白いし、美味しので、いろいろ買ってシェアした。
松野さんは、変わった浴衣の着こなし方をしていた。上半身、襟を抜いてはいるものの、胸元はものすごくきちっとしめて着て、でも、下半身はスリットが入ったスカートのように膝上からはだけていた。
帯は半幅帯の上に兵庫帯の可愛いのをふわっと巻いて、素足にヒールのあるサンダルをはいていた。めちゃめちゃ足が綺麗に見えた。
「俺が着付けたんだ。」と、キヨシさんが言った。私は可愛いと思うけど、好みは分かれるだろうなあと思う。。だらしなさと、きちんとのバランスで、ただ着崩れただけにはなってない辺りが、面白いと思う。私は、絶対にしないけど。
みんなで面白がって食べてると、アクセサリーの店からリュウジさんが出てきて、私の耳元に囁いた。「宇佐ちゃん、これは、普段お世話になってますのプレゼント。」
それは、べっこうの髪飾りだった。
「めちゃめちゃ好みはかも。これいくら?お金払うよ。」
「いらないよ。自信作だから、早速つけて祭り会場歩いてもらえると嬉しいかも。店も宣伝してきてよ。」と、リュウジさんが言った。
その時、横から、くまさんが口を開いた。
「俺が出しとくよ。それ、いくら?」
リュウジさんは、一瞬固まった後、くまさんの顔を見た。
「700万円」
平林さんが吹き出した。
「700円だよね。リュウジ、色違いの、私にも売ってよ。今回は、私が出しとくよ。こないだ、宇佐ちゃんにお金借りて返してないの。」
「そんな事あったっけ??」
「練習の時、差し入れてくれたでしょ。」
それなら、あった。
「来年も、一緒に頑張ろうってこと。お揃いなら、一緒につけれるかもしれないし。来年は部長だし、宇佐ちゃんは同じバンドだから、どうしても巻き添え喰うかと思って。」
「そういうことなら、姉さんに甘えちゃお。」私は、平林さんと腕を組んだ。
今度は、くまさんが笑った。
「みやこさ、昔から真面目なやつだとは思ってたけど、貫禄が出てきたよな。姉さんって感じだ。やっぱ、お前はすごいなあ。」
「何か、あんたに言われるとバカにされてるような気がするわ。」と、平林さんは言った。
「そりゃちがうよ。俺も、頑張ってもどうしようもないことだらけだ。お前は、そういうこと切り抜けて今があるだろ。」
平林さんは、くまさんには答えず、リュウジさんを呼んだ。
「リュウジ、こいつ、良い奴なんだよ。でも、何か嫌みなんだよ。」
リュウジさんは、平林さんにも髪飾りをわたした。
料金は断ろうとしていたけれど、結局平林さんに押し付けられるようにして受け取ってくれた。
平林さんには、別の時に返せば良い。
優矢に振り回されて、踊りの輪に入りそびれた。かき氷を食べていると、踊り疲れたみんながこちらに帰って来た。
「そう言えば、平林さん、屋台やってるお友達のところをのぞいてくるって。」と、あゆみが言った。
「宇佐ちゃんが忙しそうだったから、行っちゃったよ。たこ焼きか何かって言ってた。」
私が誘ったのに、ほったらかしにして申し訳なかった。。
お父さんと優矢は踊ってくると言うので、みんなでぞろぞろと平林さん探しに行くと、彼女はすぐに見つかった。
専門学校生の出してる店だった。
すごく、可愛い髪飾りやら、帯飾り、アクセサリーの店の隣に、ちょっと変わり種のタコ焼の店があった。
平林さんは、ご機嫌だった。「宇佐ちゃん、チーズ餅も、ソーセージも、牛スジ蒟蒻とか、意外なほど美味しいよ。」と、彼女は言った。
リュウジさんと、キヨシさんと、それから、松野さんがいた。
「タコ焼とは言わないかもしれないけどな。」と、くまさんが言った。
ちょっと割高ではあったけど、確かにいろいろ面白いし、美味しので、いろいろ買ってシェアした。
松野さんは、変わった浴衣の着こなし方をしていた。上半身、襟を抜いてはいるものの、胸元はものすごくきちっとしめて着て、でも、下半身はスリットが入ったスカートのように膝上からはだけていた。
帯は半幅帯の上に兵庫帯の可愛いのをふわっと巻いて、素足にヒールのあるサンダルをはいていた。めちゃめちゃ足が綺麗に見えた。
「俺が着付けたんだ。」と、キヨシさんが言った。私は可愛いと思うけど、好みは分かれるだろうなあと思う。。だらしなさと、きちんとのバランスで、ただ着崩れただけにはなってない辺りが、面白いと思う。私は、絶対にしないけど。
みんなで面白がって食べてると、アクセサリーの店からリュウジさんが出てきて、私の耳元に囁いた。「宇佐ちゃん、これは、普段お世話になってますのプレゼント。」
それは、べっこうの髪飾りだった。
「めちゃめちゃ好みはかも。これいくら?お金払うよ。」
「いらないよ。自信作だから、早速つけて祭り会場歩いてもらえると嬉しいかも。店も宣伝してきてよ。」と、リュウジさんが言った。
その時、横から、くまさんが口を開いた。
「俺が出しとくよ。それ、いくら?」
リュウジさんは、一瞬固まった後、くまさんの顔を見た。
「700万円」
平林さんが吹き出した。
「700円だよね。リュウジ、色違いの、私にも売ってよ。今回は、私が出しとくよ。こないだ、宇佐ちゃんにお金借りて返してないの。」
「そんな事あったっけ??」
「練習の時、差し入れてくれたでしょ。」
それなら、あった。
「来年も、一緒に頑張ろうってこと。お揃いなら、一緒につけれるかもしれないし。来年は部長だし、宇佐ちゃんは同じバンドだから、どうしても巻き添え喰うかと思って。」
「そういうことなら、姉さんに甘えちゃお。」私は、平林さんと腕を組んだ。
今度は、くまさんが笑った。
「みやこさ、昔から真面目なやつだとは思ってたけど、貫禄が出てきたよな。姉さんって感じだ。やっぱ、お前はすごいなあ。」
「何か、あんたに言われるとバカにされてるような気がするわ。」と、平林さんは言った。
「そりゃちがうよ。俺も、頑張ってもどうしようもないことだらけだ。お前は、そういうこと切り抜けて今があるだろ。」
平林さんは、くまさんには答えず、リュウジさんを呼んだ。
「リュウジ、こいつ、良い奴なんだよ。でも、何か嫌みなんだよ。」
リュウジさんは、平林さんにも髪飾りをわたした。
料金は断ろうとしていたけれど、結局平林さんに押し付けられるようにして受け取ってくれた。
平林さんには、別の時に返せば良い。