くまさんとうさぎさんの秘密

by 熊谷 義明
みやこと宇佐美が仲良く来年の話を始めた。アクセサリーショップが楽しくてたまらないらしい。女の子の人だかりができている。
俺が、出そうとした財布をしまっていると、リュウジがこちらに近づいてきた。
「何でっちゃわないの？」と、りゅうじは言った。
「はっ？」意味が分からなくて聞き返すと、彼は俺の耳元でもう一度言った。
「宇佐ちゃんとまだやらないのは、何で？」
意味を理解するのに少し時間がかかった。
理解してから、猛烈にイラついてしまった。
宇佐美は、そんなことまで話してしまっているんだろうか。。
「何であなたに話さなきゃならないんですか？」
りゅうじは笑った。しかも、かなりバカにした笑かたをした。
「別に。かまかけただけ。」

頭をぶん殴られたような気がした。
うかつに挑発に乗らないようにしなくては。今のやり取りを頭の中でくりかえす。
しかし、繰り返してみても、不愉快でしかない。

友達は選べと、宇佐美に言いたい。
言いたいけど、、言ってしまうと、こちらがうっとうしい男に格下げにされてしまうかもしれない。

リュウジは、宇佐美に一定、信頼されてる。宇佐美の前では、いつも、人の良いキャラクターを貫いている。こいつの危険性を、宇佐美にうまく分からせるにはどうしたら良いんだ？？