くまさんとうさぎさんの秘密

イマドキ異文化交流

by 熊谷 義明
「そこまでして、、そこまで言わせて、、それでやらなくて、焦れた女に平手張られたって。。」
洋治は、若干あきれた顔で俺を見ていた。。
「何でやんないの??もしかして、たたないわけ?ゴムがないからとか??」
顔が赤くなってしまったと思う。
何か、いつか、誰かに言われたのと、同じ事言われてる気がする。
「違うっ!!」
ゴムが無いからは、あるけど。
俺が女心に疎くて、ものすごいやせ我慢重ねたあげくに、彼女に恥をかかせたということは、ちょっと分かった。分かったけど、やっぱり酷くないかと思う。
洋治は、ため息をついた。
「今の今まで何にもなくて、何で突然そういうことになるわけ??」
「俺も、訳分かんないよ。」
「お前が受け止めてくれると期待して飛びこんだところが、かわされて急降下なわけじゃん。。何を泡食ってんのかと思ったら、、字ずらだけ聞いたら、お前が女をその気にさせるテクニックを自慢してるようにしか聞こえないわ。。」
「そんなんじゃない。絶対違う。俺、もうどうしていいか分かんないんだよ。ひとみが入院して、家にいないんだ。」
ああ、それで、と、洋治は頷いた。
「家に帰ったら、あいつと二人だし、下宿に帰ったら、あいつのこと避けてるみたいじゃん。。愛情は伝えたいんだよ。平手張られても。その時は伝わらなくても、後から後悔したくないじゃん。でも、やりたいんだかやりたくないんだか、何説明しても嘘ついてる気がして、頭ん中真っ二つで、混乱して、宇佐美の顔まっすぐ見れないんだ。」

洋治は、俺から目をそらした。

「そのまま、そのまま言えばいいんじゃないの。?興奮しすぎて、訳分からなくなったんだって。」
「なるほど。要約すると、そういうことだな。」
相手に伝えるなら、それが素直な気持ちだと思った。
「そんな情けない男が愛想尽かされないかは、知ったこっちゃないけどな。お前女かよ。」
言葉につまる。。
「宇佐ちゃんの中で、義明が受け入れないのが、そんな小学生みたいな理由にはなってない可能性高いだろ。その、情けない部分さらして、そこが、ご愛嬌になるか、がっかりになるかは、相性の問題というか。」
「どうしろって言うんだ。。」
「俺に聞くなよ。というより、俺に聞くなら、やれよ。体から始まるもんもあるんだよ。」

洋治は、腕を組んで俺を見下ろした。
「あのさ、、さっきまであゆみと一緒だったんだけど、宇佐ちゃんは宇佐ちゃんで、「絶対内緒にしてほしい」って、相談してきたって。」
「宇佐美、何て??」
「絶対内緒にしてって、あゆみにも言われてるんだけどな。。」
噂話というのは、「絶対内緒だよ」という枕詞をつけて、広がる。
「そこまで言っといて何だよ。。あゆみのやつ、内緒も何も、俺たちだけじゃなくて、よそでもペラペラしゃべってないだろうな???」
「あゆみは、宇佐美が不利益被るような事はしないよ。宇佐ちゃんは大事な友達だからな。俺が言ったって、絶対言うなよ。宇佐ちゃん、「くまさんに嫌われたかもしれない」って、泣きながら電話してきたらしい。」
「俺、何度も好きだって言ったよ。」
「あゆみも、「落ち着け」とは言ったらしい。けど、お前じゃなきゃどうしようもないことだろ。俺、別に口が軽いとかじゃないからな。宇佐ちゃんに良かれと思って言ってるから。何とかしろよな。」

















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