くまさんとうさぎさんの秘密

心地よい風

くまさんの家は、大人と子どもの仕事が分かれていない家だった。
何か、家電製品も、使ってみると面白くて、私は、朝ごはんを作るようになった。

あの、一回り小さなロボット掃除機だが、あれはサンプル品で、大量生産はしなかったものをもらい受けたそうだ。
何か、試験の段階で電気のスイッチの紐に引っかかり、部品に紐を巻き込んで、まっすぐ動けずに電球をかちわったそうだ。
くまさんちの電気は全てセンサー式でスイッチはないし、コード類もきれいにかたずいてるから、この子も本領発揮している。

食事は大切だと思う。
私は、ゆっくりと時間をかけて料理するのが好きだ。

保育園では、はじめの時にアレルギー表を提出してもらっているが、その子に合わせたメニューのようなものにものすごく気を使っている。
風邪のひきはじめも、お腹痛も、ちょっと不調といううちに、ちゃんとそれに合わせた料理と対処方法を提供したい。

くまさんも、ひとみさんも、手はかけないけれど、ちゃんと細やかに体調に合わせた食事をとる人だった。私も、ここには共感できた。
「何口に入れるか選ぶのが、強さの第一歩って、いつもひとみが言ってる」そうだ。ちなみに、私は、1度もひとみさんがそう言ってるところを見たことがない。

花火の日には、みんなでたこ焼きを作って食べた。運動会では、ひとみさんと一緒にお重をつめ、秋には月見団子を作って、お月見をした。

お正月のお重もいっしょにつめた。
ひとみさんは、やっぱりすごく素敵なお母さんだった。

宇佐美のお母さんからは、私の誕生日に、1度だけ連絡があった。お母さんは、やっぱりお母さんだ。
くまさんがいて、ひとみさんがいて、私は、自分のお母さんの誕生日に、おめでとうを言うことができた。

私のお母さんが、頑張りやさんなのは、間違いない。
ちょっと不器用なだけだ。





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