くまさんとうさぎさんの秘密
私の婚約者の名前は、澤谷 祐。
澤谷さんは、私より13年上だから、始めはとても大人で、頼れる人に見えた。
仕事と言っても、くまさんみたいなそんな立派な仕事じゃなくて、投稿してた小説が落選して、でも、書き直せば雑誌に連載でのせてもらえる話をもらって出会った。
ちょうど、1番寂しかった時期に出会ったから、すごく生活の安定みたいなものに、憧れちゃったんだと思う。彼は、私の母親を味方につけたから、何か、彼との将来を描くのが当たり前みたいにどんどん固められて、でも、気持ちがついていかなくて、私は焦ってた。
そして、そんな時、私にとって許せないことの種が既に見えないところで蒔かれていた。
賞はもらえなかったけど、形式的に書き直して連載してもらえるとのことで、電話もらった時は、すごく嬉しかった。世の中に文章が出るという事では、受賞作品と変わらない。
変な話、文章には自信があった。意外性とか、考えさせられる展開とか、、でも、ちょっと重いかな?とも、思ってた。だから、取り上げてくれる人がいて、「これで良いんだよ」と、認められた気持ちになった。
浮かれた気持ちで、授賞式終えたばかりの新人作家さんと同じ日に、私は出版社に出向いた。交通費を、出版社が出してくれた。
指定されたフロアに着き、エレベーターの扉が空いたとき、身なりの良い男の人が、痩せた男の人に、話す声が聞こえた。
「宇佐美さん、今日は疲れてるから、最低限の打ち合わせだけで帰りたいって言うんですよ。」
(宇佐美さん、??)
どこの宇佐美さんの話か知らないが、同じ名前の人でもいるのだろうか??ちょっと心にひっかかったが、その時はあまり気にもとめなかった。
身なりの良い男性は、私に気がつかないで部屋に入った。痩せた男の人は、私に気がついた。
「受賞者の人?」
「いえ?、。」
「宇佐美です。」
男の人は、一歩下がった。
「ああ、そう、宇佐美さんのお嬢さんだよね。」
「まあ、そうです。」
「そこはいって、澤谷さんに声かけて。」
痩せた男の人の顔が、ちょっとひきつっていた気がする。
私は、この後、澤谷さんに出会い、都内のフランス料理店に連行されることになる。
フランス料理は美味しかった。ここでの習慣も知らなかったし、こんなもんかと思い込んでしまった。
母が父に口説かれた時も、随分と派手だったそうだし、食事にだけは手を抜かない家族だったから、食事にだけは贅沢をしてきた。だから、澤谷さんの下心の大盛なんて気が付かなかった。
それに、母が先に口説き落とされてしまった。
実は、、母は大学の講師で、ちょっと名の知れたエッセイスト。母の方は澤谷さんを知っていたし、私は澤谷さんを知らなかったけれど、澤谷さんの方は私のことを知っていたことも後から知った。
母のことは、おいおい考えたいが、
ややこしいことに、私は、ここで、ちょっと学歴を偽ってしまった。
澤谷さんにしたら、華華しい家族に違いないけれど、私は高校生にして自立せざる負えない状況だし、そんなかっこいいものにも思えなくて。
理解してもらえるような気がしなくて、高校も卒業したことにしてしまったのだ。
お金のやり取りの段になって、保護者の同意が必要なことがあって、私は、ちょっと嘘をついた。
つまり、私が卒業したのは中学校なんだけど、高校を卒業したことに偽ってしまったのだ。
でもまあ、そもそも作家何て、性別不詳だったり、年齢不詳だったり、契約上のこと何か表に出ることなんかなかったし、澤谷さんと学校の話をすることもなかった。
だから、何もバレないまま、20の誕生日と思い込んだ澤谷さんに、靴をプレゼントされて、昨夜に至るというわけだ。
澤谷さんは、私より13年上だから、始めはとても大人で、頼れる人に見えた。
仕事と言っても、くまさんみたいなそんな立派な仕事じゃなくて、投稿してた小説が落選して、でも、書き直せば雑誌に連載でのせてもらえる話をもらって出会った。
ちょうど、1番寂しかった時期に出会ったから、すごく生活の安定みたいなものに、憧れちゃったんだと思う。彼は、私の母親を味方につけたから、何か、彼との将来を描くのが当たり前みたいにどんどん固められて、でも、気持ちがついていかなくて、私は焦ってた。
そして、そんな時、私にとって許せないことの種が既に見えないところで蒔かれていた。
賞はもらえなかったけど、形式的に書き直して連載してもらえるとのことで、電話もらった時は、すごく嬉しかった。世の中に文章が出るという事では、受賞作品と変わらない。
変な話、文章には自信があった。意外性とか、考えさせられる展開とか、、でも、ちょっと重いかな?とも、思ってた。だから、取り上げてくれる人がいて、「これで良いんだよ」と、認められた気持ちになった。
浮かれた気持ちで、授賞式終えたばかりの新人作家さんと同じ日に、私は出版社に出向いた。交通費を、出版社が出してくれた。
指定されたフロアに着き、エレベーターの扉が空いたとき、身なりの良い男の人が、痩せた男の人に、話す声が聞こえた。
「宇佐美さん、今日は疲れてるから、最低限の打ち合わせだけで帰りたいって言うんですよ。」
(宇佐美さん、??)
どこの宇佐美さんの話か知らないが、同じ名前の人でもいるのだろうか??ちょっと心にひっかかったが、その時はあまり気にもとめなかった。
身なりの良い男性は、私に気がつかないで部屋に入った。痩せた男の人は、私に気がついた。
「受賞者の人?」
「いえ?、。」
「宇佐美です。」
男の人は、一歩下がった。
「ああ、そう、宇佐美さんのお嬢さんだよね。」
「まあ、そうです。」
「そこはいって、澤谷さんに声かけて。」
痩せた男の人の顔が、ちょっとひきつっていた気がする。
私は、この後、澤谷さんに出会い、都内のフランス料理店に連行されることになる。
フランス料理は美味しかった。ここでの習慣も知らなかったし、こんなもんかと思い込んでしまった。
母が父に口説かれた時も、随分と派手だったそうだし、食事にだけは手を抜かない家族だったから、食事にだけは贅沢をしてきた。だから、澤谷さんの下心の大盛なんて気が付かなかった。
それに、母が先に口説き落とされてしまった。
実は、、母は大学の講師で、ちょっと名の知れたエッセイスト。母の方は澤谷さんを知っていたし、私は澤谷さんを知らなかったけれど、澤谷さんの方は私のことを知っていたことも後から知った。
母のことは、おいおい考えたいが、
ややこしいことに、私は、ここで、ちょっと学歴を偽ってしまった。
澤谷さんにしたら、華華しい家族に違いないけれど、私は高校生にして自立せざる負えない状況だし、そんなかっこいいものにも思えなくて。
理解してもらえるような気がしなくて、高校も卒業したことにしてしまったのだ。
お金のやり取りの段になって、保護者の同意が必要なことがあって、私は、ちょっと嘘をついた。
つまり、私が卒業したのは中学校なんだけど、高校を卒業したことに偽ってしまったのだ。
でもまあ、そもそも作家何て、性別不詳だったり、年齢不詳だったり、契約上のこと何か表に出ることなんかなかったし、澤谷さんと学校の話をすることもなかった。
だから、何もバレないまま、20の誕生日と思い込んだ澤谷さんに、靴をプレゼントされて、昨夜に至るというわけだ。