くまさんとうさぎさんの秘密
甘くない
by 宇佐美 優那
保育園にお盆休みはない。くまさんちの工事の2日と、優矢と約束した日以外、全部バイトを入れた。
何か、相変わらず充実しすぎてる気がするけれど、くまさんもまた、常にスケジュールをパンパンにしないと気がすまない性分のようだ。
リフォームの日は、軽音の休み前の最後の練習だ。練習の後、荷物の移動のための軽トラで、くまさんの下宿まで運んでもらえることになった。この日だけは、家の鍵がしまらないのだそうだ。
軽音については、返事保留のまま、活動を続けている。
松野さんとキヨシさんは、忙しいらしくて来れない。彼らが来なくなってから、実は、平林さんの周りに人が集まり始めた。
実は、松野さん達の活動も今年までなのだ。来年は、来るとしてもゲストということになるし、誰かが招待しなければ、もう軽音の舞台には上がらない。
松野さんの選曲が嫌いな人もいるから、どうなるか分からない。けれど、私は、実は、松野さんの歌も、選曲も、個人的には、好きだった。だって、性欲って、人間が人間である以上、外せない話で、、そこと向き合わずに、前向きな生き方なんてありえない気がする。。
自分だったら、やらしくならないように気を付けなきゃならないけど、松野さんのあの、健康的な感じは、何なんだろう。
なんて、偉そうな事を考えてみたりしたけど、、そもそも私は、全く男性未経験者だ。
私は、お父さん子だし、ある時期まで両親は私の憧れだった。でも、最近は、お母さんがちょっと奔放なところがある事が、分かってきて、ちょっと嫌だった。
優矢に電話する度に、お母さんは、しょっちゅう澤谷さんと出かけていると話している。お父さんは、お母さんの帰りが遅いと、優矢と晩御飯を作ったりしている。
別に、不倫とかそんなんじゃない。昔からそう。お母さんが活躍できるのも、お父さんの度量が広いからだ。澤谷には、お父さんの真似はできない。でも、やっぱり嫌なものは嫌。
特に、お母さんが、私より澤谷と仲が良いことが、本当に寂しかった。
私にとって、キヨシさんと松野さんは、憧れのカップルになった。。
夏休みに入って、リュウジさんにパーマをあてなおしてもらった。不揃いな癖っ毛が、コジャレた感じで整った。脱毛機の安くて良いやつを教えてもらった。
それから、時々、平林さんと、リュウジさんと、3人で、2人で、サークルの合間や空きコマにメイクや、ファッションの話でもりあがった。
リュウジさんは、時計が好きで、ヒカリモノが好きで、服を作ることが大好きだった。
リュウジさんの作る服は、ハデではないけど、スタイルが綺麗に見えて、着心地も良かった。
「お袋が下着作ってたんだよ。あの人の不幸の始まりもそこだし、成功の始まりもそこだったんだ。3次元写真からフルオーダーメードの型紙を自動でおこして裁断する機械を作ったことがあったらしい。お袋がデザイナーとして、型紙のおこしかたを技術提供したんだ。その時の機械を作った技術者が俺の実の父親。」と、リュウジさんは言った。
「でもさ、やっぱりちゃんと型紙おこしたいわけ。機械で作って、ただサイズ合ってるっていうのと、その人のスタイルが生きるって、ちょっと違うのな。」
何か、、みんな頑張ってるんだと思ったら、自分も気が引き締まる思いだ。ちょっとチャラチャラした印象だったリュウジさんだけど、よくよく話を聞いてみると、ものすごくちゃんとしてる。
保育園にお盆休みはない。くまさんちの工事の2日と、優矢と約束した日以外、全部バイトを入れた。
何か、相変わらず充実しすぎてる気がするけれど、くまさんもまた、常にスケジュールをパンパンにしないと気がすまない性分のようだ。
リフォームの日は、軽音の休み前の最後の練習だ。練習の後、荷物の移動のための軽トラで、くまさんの下宿まで運んでもらえることになった。この日だけは、家の鍵がしまらないのだそうだ。
軽音については、返事保留のまま、活動を続けている。
松野さんとキヨシさんは、忙しいらしくて来れない。彼らが来なくなってから、実は、平林さんの周りに人が集まり始めた。
実は、松野さん達の活動も今年までなのだ。来年は、来るとしてもゲストということになるし、誰かが招待しなければ、もう軽音の舞台には上がらない。
松野さんの選曲が嫌いな人もいるから、どうなるか分からない。けれど、私は、実は、松野さんの歌も、選曲も、個人的には、好きだった。だって、性欲って、人間が人間である以上、外せない話で、、そこと向き合わずに、前向きな生き方なんてありえない気がする。。
自分だったら、やらしくならないように気を付けなきゃならないけど、松野さんのあの、健康的な感じは、何なんだろう。
なんて、偉そうな事を考えてみたりしたけど、、そもそも私は、全く男性未経験者だ。
私は、お父さん子だし、ある時期まで両親は私の憧れだった。でも、最近は、お母さんがちょっと奔放なところがある事が、分かってきて、ちょっと嫌だった。
優矢に電話する度に、お母さんは、しょっちゅう澤谷さんと出かけていると話している。お父さんは、お母さんの帰りが遅いと、優矢と晩御飯を作ったりしている。
別に、不倫とかそんなんじゃない。昔からそう。お母さんが活躍できるのも、お父さんの度量が広いからだ。澤谷には、お父さんの真似はできない。でも、やっぱり嫌なものは嫌。
特に、お母さんが、私より澤谷と仲が良いことが、本当に寂しかった。
私にとって、キヨシさんと松野さんは、憧れのカップルになった。。
夏休みに入って、リュウジさんにパーマをあてなおしてもらった。不揃いな癖っ毛が、コジャレた感じで整った。脱毛機の安くて良いやつを教えてもらった。
それから、時々、平林さんと、リュウジさんと、3人で、2人で、サークルの合間や空きコマにメイクや、ファッションの話でもりあがった。
リュウジさんは、時計が好きで、ヒカリモノが好きで、服を作ることが大好きだった。
リュウジさんの作る服は、ハデではないけど、スタイルが綺麗に見えて、着心地も良かった。
「お袋が下着作ってたんだよ。あの人の不幸の始まりもそこだし、成功の始まりもそこだったんだ。3次元写真からフルオーダーメードの型紙を自動でおこして裁断する機械を作ったことがあったらしい。お袋がデザイナーとして、型紙のおこしかたを技術提供したんだ。その時の機械を作った技術者が俺の実の父親。」と、リュウジさんは言った。
「でもさ、やっぱりちゃんと型紙おこしたいわけ。機械で作って、ただサイズ合ってるっていうのと、その人のスタイルが生きるって、ちょっと違うのな。」
何か、、みんな頑張ってるんだと思ったら、自分も気が引き締まる思いだ。ちょっとチャラチャラした印象だったリュウジさんだけど、よくよく話を聞いてみると、ものすごくちゃんとしてる。