くまさんとうさぎさんの秘密
幼馴染の事情(あゆみの事情)
by 宮迫 あゆみ
夜遅くに、洋治と一緒にくまさんちを出た。
洋治は家まで送ってくれて、別れ際に言った。
「もう、ほっといていいんじゃないの?いらないこと言わなくていいよ。」
私たち3人は幼馴染だ。
「くまさんの周りには、ややこしい女が集まってるんじゃん。」
「義明の母ちゃんと、お前の母ちゃんもややこしかったよな。」
「ひとみさん、かわってるじゃん。」
「まあ、そうだけどさ。。」
「俺としてはさ、二人でいんのに他の奴の話ばっかりで、ちょっとうんざりなってるわけ。」
「ただでさえテスト前でいらいらすんのに、お前が他人の話ばっかりしてると、余計いらいらするんだよ。。」
「ごめん。。」
「。。。」
洋治は、私の頭を引き寄せて、耳元に顔を寄せた。
「時間作れよな。めちゃめちゃたまってんだよ。」
「ばかっ」
押しのけようと、腕で抵抗しようとしたら、唇をふさがれた。
照れくさくて抵抗するけれど、こういう時の洋治は、破壊力半端ない。
めちゃめちゃ色っぽい。
本人、自覚ないんだろうなって思う。
洋治は、どっか、自分はモテないと思ってるところがある。
だけど、、実は、洋治が本気で体から口説き落としにかかったら、
意外なほどモテちゃうかもしれない。
幼馴染じゃなかったら、私なんか相手にされてないかもしれないと思う時がある。
洋治には悪いんだけど、目覚められても困るから、
絶対に言わない。
私たち三人は、町の小さな柔道場で一緒だった。
洋治は、ちびっこの頃から、時々すごい好戦的な笑みを浮かべる。
実は、私たちのファーストキスは3才の頃だ。
くまさんと出会って、やきもちやいた洋治が、行動に出たわけだ。
洋治がすごいのは、その時から、かわいいキスなんかじゃなかった。
「お前、俺と結婚するんだからな」という、予告つきで、
今思い出しても、自分が女にされちゃった出来事だと思う。
洋治にとって、私が初めてかどうかわからないけど、
他にそんな話もなさそうだし、
ずっと好きでいてくれたのかと勝手に思うようにしてる。
当時、くまさんの親子は、道場でも浮いていた。
おじさんは、柔道じゃなくて柔術をやっていたらしくて、
柔道のこともよくわかっていたけれど、細かいところで、ちょっとずつちょっとずつ違った。
酒も飲まない、タバコも吸わない。
くまさんのお母さんも、おばちゃんたちからは、すっかり浮いていた。
くまさんの両親がならぶと、昔のフランス映画のレオンの年の差カップルのようだった。
挙句の果てに、三才の頃、くまさんはサラサラの坊ちゃんカットだった。
見習うべきことはある人たちだが、あまりに異文化すぎて、
まあ、今でこそ慣れたけど、くまさんに恋愛感情を抱くことはなかった。
だから、洋治がやきもちやいてくれたことは、私にとっては、
かなり胸キュンな出来事だった。
でも、それはナイショだ。
だって、やっぱり洋治からちゃんと捕まえててほしい。
体は、すっかり洋治に預けていた。やめたくなかった。
言葉にできない分、焦れた体が震えて、体をよじって疼きを逃がそうとしたところに触れられて、声が出そうなのをこらえた。
そのとき、ふいに、洋治が体を引き離した。
私の体は、そのまま家の門の中に押し込まれた。
「テスト終わったら時間あけとけよ」と、洋治は言った。
洋治がそのまま振り返らなくて良かった。
私は、立っていられなくなって、そのままそこに、へたり込んでしまった。
夜遅くに、洋治と一緒にくまさんちを出た。
洋治は家まで送ってくれて、別れ際に言った。
「もう、ほっといていいんじゃないの?いらないこと言わなくていいよ。」
私たち3人は幼馴染だ。
「くまさんの周りには、ややこしい女が集まってるんじゃん。」
「義明の母ちゃんと、お前の母ちゃんもややこしかったよな。」
「ひとみさん、かわってるじゃん。」
「まあ、そうだけどさ。。」
「俺としてはさ、二人でいんのに他の奴の話ばっかりで、ちょっとうんざりなってるわけ。」
「ただでさえテスト前でいらいらすんのに、お前が他人の話ばっかりしてると、余計いらいらするんだよ。。」
「ごめん。。」
「。。。」
洋治は、私の頭を引き寄せて、耳元に顔を寄せた。
「時間作れよな。めちゃめちゃたまってんだよ。」
「ばかっ」
押しのけようと、腕で抵抗しようとしたら、唇をふさがれた。
照れくさくて抵抗するけれど、こういう時の洋治は、破壊力半端ない。
めちゃめちゃ色っぽい。
本人、自覚ないんだろうなって思う。
洋治は、どっか、自分はモテないと思ってるところがある。
だけど、、実は、洋治が本気で体から口説き落としにかかったら、
意外なほどモテちゃうかもしれない。
幼馴染じゃなかったら、私なんか相手にされてないかもしれないと思う時がある。
洋治には悪いんだけど、目覚められても困るから、
絶対に言わない。
私たち三人は、町の小さな柔道場で一緒だった。
洋治は、ちびっこの頃から、時々すごい好戦的な笑みを浮かべる。
実は、私たちのファーストキスは3才の頃だ。
くまさんと出会って、やきもちやいた洋治が、行動に出たわけだ。
洋治がすごいのは、その時から、かわいいキスなんかじゃなかった。
「お前、俺と結婚するんだからな」という、予告つきで、
今思い出しても、自分が女にされちゃった出来事だと思う。
洋治にとって、私が初めてかどうかわからないけど、
他にそんな話もなさそうだし、
ずっと好きでいてくれたのかと勝手に思うようにしてる。
当時、くまさんの親子は、道場でも浮いていた。
おじさんは、柔道じゃなくて柔術をやっていたらしくて、
柔道のこともよくわかっていたけれど、細かいところで、ちょっとずつちょっとずつ違った。
酒も飲まない、タバコも吸わない。
くまさんのお母さんも、おばちゃんたちからは、すっかり浮いていた。
くまさんの両親がならぶと、昔のフランス映画のレオンの年の差カップルのようだった。
挙句の果てに、三才の頃、くまさんはサラサラの坊ちゃんカットだった。
見習うべきことはある人たちだが、あまりに異文化すぎて、
まあ、今でこそ慣れたけど、くまさんに恋愛感情を抱くことはなかった。
だから、洋治がやきもちやいてくれたことは、私にとっては、
かなり胸キュンな出来事だった。
でも、それはナイショだ。
だって、やっぱり洋治からちゃんと捕まえててほしい。
体は、すっかり洋治に預けていた。やめたくなかった。
言葉にできない分、焦れた体が震えて、体をよじって疼きを逃がそうとしたところに触れられて、声が出そうなのをこらえた。
そのとき、ふいに、洋治が体を引き離した。
私の体は、そのまま家の門の中に押し込まれた。
「テスト終わったら時間あけとけよ」と、洋治は言った。
洋治がそのまま振り返らなくて良かった。
私は、立っていられなくなって、そのままそこに、へたり込んでしまった。