泣き顔の後に笑って
【スカッ】
「え?」
俺は思わず間抜けな声が出る
もう一度叩いてみるが
【スカッ】
俺の手は太一の肩をすり抜けていく
な、なんで?
こ、こうなったら…
太一に向かって俺は走る
「うおーー!!!太一!」
全力でタックルをしかけようとするが
【スカッ】
「うわー!」
ぶつかるものもぶつからず、
勢い余って俺は倒れ込んでしまう
「な、なんだよこれ!!」
太一は何も反応せずに歩いて行くだけ
「太一!置いて行くなよ!」
必死について行こうとするけど声は届かない
俺…もしかして
本当に死んだのか……?